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Adobe Flash Builder 4.5

Adobe Flash Builder (旧 Macromedia/Adobe Flex Builder) は、FlashコンテンツやFlexアプリ・AIRアプリを、ActionScriptやFlexを使って制作するための統合開発環境です。

Flash Builder 4.0 までだと、「コード支援」という面で、FlashDevelopの方に軍配が上がってしたような気がしますが、今回のFlash Builder 4.5の登場で、FlashDevelop使いから見ても、Adobe謹製のFlash Builderがようやく比肩したと言えるのではないでしょうか?

以下に、すっごく強力になったFlash Builder 4.5の新機能を紹介していきたいと思います。

 

 

↓ FB4.5の新機能s!

 

■ プラットフォームサポートの更新

Flash Builder 4.0 では、Eclipse 3.5 ベースでしたが、 Flash Builder 4.5 では、Eclipse 3.6 Helios ベースになりました。

また、Mac OS X バージョンの Flash Builder 4.5 では、Carbon版からCocoa版になり、よりサクサク動作するようになりました。

 

 

■ Apache Ant がプリインストール

Apache Ant が、予めインストールされているようになりました。つまり、予め Eclipse Java Develop Tools Plugin が組み込まれています。

これで、ビルドを自動化することができるので、面倒なタスクもチョチョイのチョイです。

 

 

■ 最新のFlex SDKと、レガシーなFlex SDKのサポート

Flash Builder 4.5 では、次の2つの Flex SDK がプリインストールされています。

  • Flex SDK 4.5.0 build 20967
  • Flex SDK 3.6.0 build 16995

なお、Flex SDK 4.5.0 の開発コードネーム「Flex Hero」の “Hero” は、「英雄」という意味ではなく、アメリカのニューヨークで有名な「サブマリン サンドイッチ」の名称のことです (参照: Wikipedia)。

 

 

■ 新規プロジェクト/ファイルの新しいテンプレートの追加

新規プロジェクトウィザードや、新規ファイルテンプレートがいくつか新しく追加されました。追加されたものは以下のとおりです。

  • 新しく追加された「新規プロジェクトウィザード」
    • Flex モバイル プロジェクト
    • ActionScript モバイル プロジェクト
    • FlashCatalyst 互換 プロジェクト
  • 新しく追加された「新規ファイルテンプレート」
    • ActionScript カスタム スキンナブル コンポーネント
    • ActionScript カスタム アイテムレンダラー (モバイル List 用)
    • MXML ViewNavigator アプリケーション
    • MXML Flash Catalyst Web アプリケーション
    • MXML Spark カスタム モジュール
    • MXML カスタム アイコン アイテムレンダラー (モバイル List 用)
    • MXML 複数の画像を用いた カスタム アイコン アイテムレンダラー

 

 

■ モバイルAIRアプリ開発のサポート

新たに、複数のプラットフォームに対応したモバイルアプリケーションの開発が出来るようになりました。

現在、Apple iOS と、Google Android アプリの開発に対応していますが、2011年6月の更新で、新たに Blackberry Tablet OS にも対応される予定のようです。

 

モバイルプロジェクトの新規作成ウィザード

新たに、「Flex モバイル プロジェクト」 と 「ActionScript モバイル プロジェクト」 ウィザードが用意されています。

Flex モバイル プロジェクト

Flex モバイル プロジェクト では、現時点で Google Android アプリのみ開発できます(6月の更新で、Apple iOS と Blackberry に対応予定)。

Flexモバイルアプリケーションテンプレートも3種類用意されていて、また必要な権限の設定なども行うことができます。

ActionScript モバイル プロジェクト

ActionScript モバイル プロジェクト では、現時点で Google AndroidApple iOS アプリの開発ができます(6月の更新で、 Blackberry にも対応予定)。

Flexモバイルアプリケーションテンプレートも3種類用意されていて、また必要な権限の設定なども行うことができます。

 

モバイルアプリのプレビューやデバッグ

モバイルアプリを、PC上でエミュレーションして または 実機上で実際に 実行(プレビュー)・デバッグ・テスト・プロファイリングなどをリアルタイムですることができます。

PC上でエミュレーションして実行・デバッグ

モバイルアプリの動作を確認するために、PC上でモバイル端末をエミュレーションして、プレビューやデバッグなどをリアルタイムに行うことができます。

エミュレーションできるモバイルプラットフォームは、いまのところ Apple iOS と Google Android のみです。 また、簡単にですが、様々なタブレット端末やスマフォ端末の設定を適用することができます。

実機上で実行・デバッグ

USB接続経由 または ネット経由 で、モバイルアプリのプレビューやデバッグなどを、タブレット端末やスマフォ端末の実機上でリアルタイムにて行うことができます。

 

モバイルアプリのパッケージ化と電子署名

モバイルアプリのリリースビルド書き出し時に、それぞれのモバイルプラットフォーム固有のパッケージングと、電子署名を行うことができます。

Apple iOS (iPhone/iPad) アプリの書き出し

Apple iOS アプリの書き出しにも対応しています(以前は、Packager for iPhone/iPadでモメに揉めました)。

もちろん、リリースビルド後直ぐに Apple App Store にアップロードできるよう、パッケージ化と電子署名が可能です。
 ただ、App Storeにうpして公式に配布するためには、プロビジョニングファイルが必要となります。
 よって、Apple iOS Developer Program に契約する必要があります。
 つまり、林檎に対して 1年毎に 99ドル を支払う必要があるということです。

Google Android アプリの書き出し

Google Android アプリの書き出しにも対応しています。

こちらは、貪欲な林檎とは違って、Google Android Marketで公式に配布する際に、開発者には支払いの必要はありません。また、いわゆる「オレオレ証明書」でも一応電子署名が可能です。

 

 

■ コンポーネントセットがスマートに

Flash Builder 4.0 では、 「MXのみ」 と 「Spark+MX」 の 2択 でしたが、 Flash Builder 4.5 では、新たに 「Sparkのみ」 が追加され、3択 になりました。

 

 

■ Flash Catalyst との双方向連携

Flash Builder 4.0 + Flash Catalyst CS5 では、 FCからFBへ一方通行でしたが、Flash Builder 4.5 + Flash Catalyst CS5.5 では、双方向連携がサポートされ、ラウンドトリップ編集が可能になりました。

 

 

■ 超強力なコーディング支援

パワフルでインテリジェントなコーディング環境が、更に強力になりました。以下、Flash Builder 4.5 で強力になった点を一つひとつ見ていきたいと思います。

 

メタデータコードのコンテンツアシスト

MXMLやActionScriptのコーディング時に、メタデータもコード補完されるようになりました。

メタデータを追加する対象で、ブラケット“[”を入力して、“Ctrl (Cmd) + Space”で、メタデータの候補一覧が表示されます。

また、メタデータのプロパティのコード補完もコンテンツアシストで可能になっています。

 

メソッドのオーバーライド・実装機能

既存のクラスのメソッドオーバーライドや、インターフェイスの実装メソッドを簡単に追加することが出来るようになりました。

ActionSciptを使ってプログラミングしている際に、右クリックから「[ソース] → [メソッドをオーバーライドまたは実装...]」をクリックすると、オーバーライドまたは実装できるメソッド一覧が表示され、選択したメソッドをオーバーライドまたは実装して自動的に追加してくれます。

 

バインド可能なgetter/setterの自動生成

「getter/setterの自動生成」機能が更に強力になり、バインド可能なgetter/setterを自動生成することが出来るようになりました。

自動生成の操作も非常にサクサクで、変数にカーソルを合わせ、クイックフィックス・クイックアシスト(“Ctrl (Cmd) + 1”)を呼んで、「getter と setter を作成」を選択し、「バインド可能にする」のチェックボックスをONにしてから「OK」を押すだけです。

 

CSSクラス参照移動

CSSファイルの編集中に、セレクターのクラスや参照されているクラスに移動することが出来るようになりました。

 

CSS3のメディアクエリーエレメントのコード補完サポート

CSSファイルの編集中に、メディアクエリーエレメント(@media)のコード補完がサポートされるようになりました。

 

import文の整理

import文を一瞬で整理することができます。

なお、Flash Builder 4.5 で、新たにクイックフィックス・クイックアシストを使って、import文を整理することもできるようになりました。

 

クイックフィックス・クイックアシスト

クイックフィックス・クイックアシスト機能が新しく付きました。

例えば、ローカル変数をインスタンス変数(フィールド変数)に昇格させることができたり、変数宣言後のインスタンス生成の記述を自動分割させたり、名前変更リファクタリングを一瞬で直接呼んだり、よくあるミスを自動修正させたり、ステートメントを自動で生成した新しいローカル変数に代入させたり、色んなことがサクッと出来るようになりました。また、記述したコードの内容に応じて、自動的に、クラスやインターフェイス、イベントハンドラー、メソッド、変数などを生成してくれます。その際、ローカル変数を自動生成するかインスタンス変数を自動生成するかを選択することもできますし、その自動生成したメンバの名前空間(アクセス修飾子)を直ぐさま設定することもできます。

クイックフィックス・クイックアシストを呼ぶには、カーソルを合わせてから「“Ctrl (Cmd) + 1”」と入力するだけです。

 

コードテンプレート

コードテンプレート機能が新たに導入されました。

予め用意しておいた文字列を入力した後、コンテンツアシストを呼ぶ(“Ctrl (Cmd) + Space”を入力する)と、自動的に(予め設定しておいた)コードが自動生成されます。これにより、コーディング効率が格段に向上します。

以下、コードテンプレートを使ってみた例です。

ActionScriptファイル編集中に...

foriと入力した後に、“Ctrl (Cmd) + Space”を入力すると、下の画像のように、forループが自動生成されます。

Flex(MXML)ファイル編集中に...

Ellipseと入力した後に、“Ctrl (Cmd) + Space”を入力すると、下の画像のように、楕円を描写するコードが自動生成されます。

モバイルプロジェクトでのFlex(MXML)ファイル編集中に...

Listと入力した後に、“Ctrl (Cmd) + Space”を入力すると、下の画像のように、モバイル端末でスライド可能なリストのコードが自動生成されます。

CSSファイル編集中に...

AdvancedDataGridと入力した後に、“Ctrl (Cmd) + Space”を入力すると、下の画像のように、mx系のAdvancedDataGridのスタイルシートのサンプルコードが自動生成されます。

 

 

 

まとめ

全体的に見て、かなり強力な機能が導入されました。

こんなに強力な機能のついたFlashの統合開発環境 Flash Builder 4.5 ですが、学生は無償で利用することができます(申請はこちらから)。

今回の、新機能紹介では、for PHP 版 (Zend Studion が統合されてる) の方ではなく、只の FB4.5 の方を紹介しましたが、非常に実用度の高い環境になってきたと言えます。

なお、Adobe Creative Suite 5.5Web PremiumMaster Collection では、 Standard Edition (31,500円相当) ではなく Adobe Flash Builder 4.5 Premium Edition (89,250円) の方が付いてくるようになったので、スイート製品のお買い得感がとても高くなりました。

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